歯周病ってどんな病気?
- 2022年7月14日
- お口と歯の情報
こんにちは。江坂パークサイド歯科 院長の木村です。
「歯の病気で一番多いのはむし歯」と思っていませんか。
実は成人で歯を失う原因No1は歯周病(歯槽膿漏)と言われています。
今回の記事では、歯周病ついて紹介します。
この記事は以下のような人におすすめ!
- お口の中に痛いところがないから、安心している方
- むし歯がないから、歯は問題ないと思っている方
- 歯磨きの時に歯茎から出血する方
- 最近 口臭が気になる方
- ここ1年 歯医者さんに通っていない方
目次
- 歯周病はこんな病気
- 歯周病と全身疾患の関わり
- 歯周病について歯医者が思うこと
- まとめ
1.歯周病はこんな病気
①歯周病の原因のバイオフィルム(歯垢・プラーク)について
全てのヒトのお口の中には、無数の微生物が存在しています。
その微生物は、体の免疫反応・薬剤・口腔内の変化などから身を守るために、数種の細菌が互いに助けあって増殖して膜を作ります。
この膜と膜の中の微生物をバイオフィルムと言います。
台所やお風呂場のぬるぬるしたものもバイオフィルムです。
歯にもバイオフィルム(歯垢)がつき、そのバイオフィルムが歯周病の原因となります。
バイオフィルムの特徴としては、「体の免疫系が作用しにくい」「薬剤が作用しにくい」「こびり付いているので除去が困難(ブラッシングが必要)」「バイオフィルムの内部で作られた毒素などにより歯周病を誘発する」などがあります。
②歯周病の原因について
歯周病は、ヒトの体(歯周組織:歯肉・骨など)とバイオフィルムとのバランスが崩れ、バイオフィルムの影響が強くなった時に発症します。
お口の清掃不良によって、歯肉の上皮のバリアが破壊され、歯と歯肉の間に歯周ポケットという隙間ができます。
その隙間に潰瘍(傷・ケガ)ができます。
歯周病では「歯ぐきから血が出る」と聞くと思いますが、その出血は歯周ポケットの潰瘍から出ています。
歯周病菌がこの血液を栄養として繁殖して、バイオフィルムの病原性が高くなると、歯周組織が破壊され、ひいては歯を失う原因となります。
2.歯周病と全身疾患との関わり
慢性的な歯周病の方は、バイオフィルムが産生する毒素や炎症反応性物質などが、歯ぐきの出血しているところから全身のあらゆる組織に送られ悪影響を及ぼします。
特に、心臓血管疾患、糖尿病、低体重時出産のリスクが高まるという報告が数多くされています。
3.歯周病について歯医者が思うこと
歯周病は成人で歯を失う原因No1です。
ほとんどの方は、重度になってグラグラになって初めて腫れたり痛みが出たりします。
それもすぐに治ることが多いので、しっかり早めに歯医者さんに行かないと手遅れ(抜歯しかできない)になることもあります。
そうなった時は、複数の歯が歯周病になっていて、好きなものを好きなように食べにくくなっています。
むし歯はすぐに治したい、けど歯周病治療(歯石取り)は後まわしでいいという方も多いです。
歯医者さんは、むし歯を治すだけのところではないです。
健康でいつまでも自分の歯で美味しいものを食べることをトータルでサポートするところでありたいと思います。
歯磨きをしたときに、少しでも歯ぐきから出血する方。
一度 歯医者さんで見てもらうことを是非ともおすすめします。
体をシャワーとスポンジで洗っている時に血だらけになりますか?
血だらけになったら、焦りませんか?
体の一部の歯ぐきを水とブラシで洗っている時に血だらけになるのも、健康な状態ではないのです。
4.まとめ
歯周病は、歯ブラシでしか落としにくいバイオフィルムが原因で歯周組織を破壊する病気です。
成人の歯を失う原因No1ですが、歯周病のケアができているひとはまだまだ少ないと感じます。
歯ブラシの際に歯ぐきから出血する方は、ぜひ歯医者さんで見てもらって下さい。
この記事では、「歯周病の原因」を紹介しました。
実際には、今回だけでは紹介しきれていないことがあります。
今後のブログでも更新していきます。
少しでも、歯の色について気になった方は歯医者さんで相談してみて下さい。
この記事を書いたのは
江坂パークサイド歯科 院長・歯科医師 木村圭です。
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