いい総入れ歯とは
こんにちは。江坂パークサイド歯科 の歯科医師・院長の木村圭 です。
歯を失った後の部分入れ歯で困っていたりしませんか?
今回の記事では、歯医者さんの考える良い総入れ歯について紹介します。
入れ歯は歯が残っている時に入れる「部分入れ歯」と、歯が1本もなくなってしまって針金(クラスプ)を引っ掛けることができなくなってする「総入れ歯」の2種類があります。
咬むとき人は通常 歯を使いますが、総入れ歯の方は歯がないので咬む力を全て入れ歯の下の粘膜で支えないといけません。
また、食べ物をかんだりおしゃべりをしたときに入れ歯が動かないように引っ掛ける自分の歯もないのでどうしても入れ歯が動いてしまいます。
図1 部分入れ歯
図2 総入れ歯
そんな総入れ歯はどういう状態がいいのかを本日お話しします。
この記事は以下のような人におすすめです。
- 総入れ歯になってしまったけど どういう入れ歯が良い総入れ歯か分からない方!
- 総入れ歯を入れたけど、使えなくてそのままで放置している方!
目次
- 良い総入れ歯とは
- 良い総入れ歯はこの3つが満たされている
- まとめ
1.いい総入れ歯とは
総入れ歯は歯が全てなくなってから入れます。
そのため、入れ歯がないときと比べると、食べられるものに大きな制限がかかります。
かたい肉が噛みきれなかったり、大きく口を開けられないので小さく切ってからしか食べられなかったりします。
いちごなどの小さな粒でも入れ歯の下に入ったら痛かったりします。
ガム・お餅・キャラメルなどもくっついて外れます。
前歯で噛むと入れ歯の奥が浮きます。
全て歯がある状態と比べて20%くらいの咀嚼効率しかないとも言われています。
今まで通りには食事をすることはできないのです。
総入れ歯に慣れてもらいながら、日常のたべ方などを工夫して 総入れ歯を入れて間もない時のように入れ歯のことを常に考えずに(入っていることを忘れるくらい)生活ができるような入れ歯がいい総入れ歯となります。
総入れ歯になった時は、徐々に総入れ歯 特有のかみかたを習得していただく必要があります。
その上で、歯医者さんが考えるいい総入れ歯とはどういうものかを説明します。
2.良い総入れ歯はこの3つが満たされている
総入れ歯では、入れ歯を支える自分の歯がないので、どうしても動いてしまいます。
上の総入れ歯は落ちてしまったり、下の総入れ歯は浮いてきたりします。
所定の位置から少し動いてしまうのは避けられないですが、入れ歯の奥歯で咬むことで所定の位置にリセットされることが大切になってきます。
かんだり・しゃべったりする時に、所定の位置から入れ歯が動かないことを専門的には「①維持がある」と言います。
まずは、入れ歯をお口を動かしたときに大きく動かないようにすること、奥歯で咬んだら元の位置に戻るような入れ歯がいい総入れ歯の条件の一つになります。
歯の最大の役割は、食べ物を消化しやすいように小さく砕くことです。
総入れ歯も、食べ物を小さく砕いて胃や腸で消化吸収することを助けるために噛めることが重要になります。
この噛む力がしっかりと奥歯にかけられるようにすることを「②支持がある」と言います。
特に上の総入れ歯はその構造上、前歯で噛むと奥の入れ歯の床が浮いてしまうことは避けられないのでここでは奥歯でしっかりと噛むことに限定することにします。
右と左の入れ歯の奥歯の部分を同時にぎゅっと指で押して、痛くなく大きく動かなければ適切な「②支持がある」と判断します。
入れ歯は食事の時やおしゃべりをする時に使います。
その時のあごの動きは非常に複雑になります。
上下に動かすだけではなく、微妙に左右にずれたりしていろんな方向・角度で動きます。
その際に、ぎゅっと噛むだけで元のいい位置にリセットされる入れ歯が「③安定している」総入れ歯となります。
このバランスの取れた入れ歯が優れた総入れ歯となります。
良い総入れ歯は、①維持があって(入れ歯が外れたり・動きにくかったりしない)、②支持があって(奥歯でしっかりと噛める)、③安定している(動いても奥で噛むと所定の位置に戻る)ものが歯医者さんの考えるいい総入れ歯となります。
3.まとめ
良い部総入れ歯にするためには、慣れと調整は不可欠です。
調整では、①維持②支持③安定を見ながら調整をしていきます。
同時に見た目も若々しくなるように改善もしていきます。
実際では、日常生活での咬み方や話し方、残っている総入れ歯を支える歯ぐきの状態によって調整の難易度は変わりますが、何度か調整をしていると 自分にピッタリとフィットした状態になります。
頑張って、歯医者さんに通ってみてください。
何の調整をしているかを想像しながら。
この記事では、「良い総入れ歯」について紹介しました。
少しでも、気になった方は歯医者さんで相談してみて下さい。
この記事を書いたのは
江坂パークサイド歯科 歯科医師・院長の木村 圭(きむら けい)です。
江坂駅近く(徒歩2分)、江坂公園のとなり(江坂公園前)、大きな時計の看板が目印です。
19時最終受付・土曜日も診療
ご予約はこちらから
ネット予約も1時間前まで受付中
出来るだけ削らない・抜かない歯医者
歯石取り、クリーニングも人気・おすすめ
大阪府吹田市江坂町1-18-18江坂パークビル2F
Tel:0661556480