歯の神経の治療(根管治療)って何をしているの?
- 2022年7月19日
- お口と歯の情報
こんにちは。江坂パークサイド歯科 の歯科医師・院長の木村圭 です。
「歯の神経治療って何をされているか分からないな」
と思っていませんか?
今回の記事では、「歯の神経の治療」ついて紹介します。
この記事は以下のような人におすすめです。
- 歯の神経治療って何をされているのか分からない方
- 歯の神経治療を今受けている方
目次
- 歯の神経治療(根管治療)とは
- 根管治療の目的
- 根管治療の種類
- まとめ
1.歯の神経治療(根管治療)とは
歯の中には、歯髄と呼ばれる血管と神経が混ざった組織があります。
この歯髄のことを、一般的には「歯の神経」と言っています。
歯髄には、わずかですが歯に栄養を与える血管が入っています。
そのため、歯髄をとっていない健康な歯は歯髄をとった歯よりも丈夫です。
しかし、むし歯などで歯髄が細菌に感染したり、外傷などの非常に大きな力がかかって壊死してしまうと、感染がどんどん広がっていくので、歯髄を取り除く根管治療(歯の神経治療)が必要となります。
平成29年の厚生省の調査によると、18%の人が根管治療を受けたことがあるとされています。
2.根管治療の目的
①痛みをとる
歯髄までむし歯が進行すると、ズキンズキンと脈打つような非常に強い痛みを伴うことがあります。
感染がさらに進行して、歯の根の先の骨が溶かされ続けると、咬んだ時の違和感や、疲れた時などに定期的に痛みを感じたりすることがあります。
そのようななんとも言えないつらい痛みをとることを目的に根管治療は行います。
②根尖性歯周炎の予防
最初は歯の中だけの炎症が、歯の根の外の骨まで進行すると根尖性歯周炎という状態になります。
これは、歯の根の先(根尖部)の骨が溶けてしまう病気なので、レントゲンで黒くなって見えることで確認ができます。
歯髄まで達したむし歯を放置していたら根尖性歯周炎になってしまうので、そうなることを防ぐために根管治療を行います。
③根尖性歯周炎の治療
むし歯を放置していたり、不幸にも一度目の根管治療がうまくいかないと根尖性歯周炎となります。
一度 根管治療をされている歯の約4割の歯は根尖性歯周炎の病巣(根尖病巣)がレントゲンで確認できるという報告もあります。
そのような状況では、再度 根管治療(再根管治療)が必要となる可能性があります。
3.根管治療の種類
歯の神経治療の分類は様々な方法がありますが、日常の診療でよく説明する分類を今回はお話しします。
①歯髄の保存療法
歯髄があると、歯の痛みを感じることがありあます。
しかし、歯髄には神経と一緒に歯に栄養を与える血管も入っているので、歯髄をとらない歯が一番丈夫な状態です。
なので、歯髄を明らかにとらないといけない場合を除いて、出来るだけとらないで温存する。それが一番優れた歯髄治療になります。
②初めての神経治療
初めての根管治療(抜髄)は、「痛みがなく、根尖病巣ができないこと」を成功とすると、その成功率は80〜90%と言われています。
ここでしっかりと時間をかけて治療をして、根尖性歯周炎の予防をすることが後々しっかりと歯を残すことにつながります。
③再根管治療
一度 根管治療を受けたのちに根尖病変のできた歯は、通常の再根管治療を行ってもその成功率は約40%と言われています。
病巣が大きくなりすぎていたり、感染している歯の内部を削ってきれいにするだけの歯質が残っていないこと、前回の治療で歯の形態が壊れてしまっていることが原因と言われています。
4.まとめ
一度歯の神経の痛みを感じた方は、神経を早くとってもらいたいと思うかもしれません。
歯髄をとってしまうと歯は栄養を失ってもろくなってしまうので、長く自分の歯で生活するには歯髄をできるだけとらないことが大切です。
ただし、痛みが強すぎる場合、感染が進行して歯髄をとらないとどんどん周りの歯に悪影響を及ぼしてしまう場合は、しっかりと時間をかけて丁寧に歯髄をとることが大切になってきます。
歯の神経治療で困っている方は歯医者さんで早めに相談することがおすすめです。
この記事では、歯の神経治療について紹介しました。
少しでも、気になった方は歯医者さんで相談してみて下さい。
この記事を書いたのは
江坂パークサイド歯科 歯科医師・院長の木村圭です。
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