麻酔が効かない!!
- 2022年10月17日
- お口と歯の情報,虫歯,口腔外科,治療後の注意事項など
こんにちは。江坂パークサイド歯科 の歯科医師・院長の木村圭 です。
「麻酔が効かないのに治療をされてトラウマ」
「麻酔が効きにくい体質だから歯医者さんが苦手」
「歯科治療は痛いから嫌い」
こんなお悩みはありませんか?
当院では、痛いまま麻酔が効いていない状態で治療をすることはありません。
「麻酔が効きにくい」と言ってもさまざまなことを考えたら、しっかりと効かせて治療をすることが可能です。
本日は、歯医者さんの麻酔についてお話しします。
目次
- 麻酔が効きにくい体質ってあるの?
- 麻酔を効かすために歯医者さんがやっていること
- 麻酔に対する考え方
1.麻酔が効きにくい体質ってあるの?
歯科治療をしていて麻酔が効きにくいなと感じることはあります。
多くの人なら、麻酔のカートリッジ1本で効くのに倍の量を打っても効かないなということもあります。
それはどういう場合で、当院ではどのように対処しているかをお話しします。
①炎症が強い時
麻酔の液はアルカリ性です。
腫れたり、痛みが出ている炎症の部位は酸性になっています。
そのため、炎症が強い部分への麻酔は、中和されてしまい麻酔が通常の4倍ほど効きづらいとも言われています。
どうしても炎症が強い時に麻酔をして治療をしないといけない時もあります。
抜歯などの大きな処置は抗生剤(化膿止め)を処方して後日炎症が少なくなってから抜歯した方が、麻酔も効きやすく、術後の痛み・腫れも少なくできるので処置を先送りするということをします。
やむを得なく麻酔をして治療をする時は、麻酔の量を増やして、ありとあらゆるテクニックを使って痛みをとるようにして治療をします。
絶対に痛いままで治療はしません。無理やり処置をしても、拷問のようになるので。
②下顎の歯の治療
上の歯の治療と下の歯の治療では、麻酔の効き方が全然違います。
上の歯を支える骨は非常に柔らかいので、麻酔液がよく浸透してくれます。
下の歯を支える骨は硬いので、麻酔液が浸透しにくいです。
そのため、下の歯を治療する時の麻酔の量は上の歯を治療する時に比べて多く入れます。
1本の歯を治療するときでも、「外側の粘膜」、「ほっぺた側の前半分の歯の根」、「ほっぺた側の後半分の根」、「舌側の前半分の根」、「舌側の後半分の根」の5ヶ所に最初から麻酔することもあります。
③敏感になっている
専門的には疼痛閾値が低下しているといいます。
これは、一度強い痛みを感じてしまったら、神経が過敏になって、痛みを感じやすくなってしまっている状態です。
神経がビビりまくっているので、ちょっとした刺激で痛みを感じてしまっている状態です。
こうならないように治療途中で少しでも痛みを感じたら、麻酔を追加するようにしています。
一度、すごく敏感になってしまうとなかなか麻酔が効きにくくなるので、万が一そうなってしまったら、たくさん麻酔を追加して何も感じないような状態にまで持っていきます。
2.麻酔を効かすために歯医者さんがやっていること
麻酔は歯茎に針を刺して、麻酔液を入れたらそれで効いてくる訳ではありません。
①治療の目的を考える
むし歯の治療と、歯周病治療では麻酔の方法が異なります。
むし歯治療では、歯の神経だけをブロックしたらいいので歯に入ってくる神経の入り口だけを目指して麻酔をします。
歯周病治療では、歯の周りの歯茎をブロックすることを第一に考え、歯石をとっている時にシミそうなら、むし歯治療と同様に歯に入ってくる神経の入り口も麻酔をします。
むし歯がひどくなって、歯を支える骨まで炎症が広がっている時は、骨までしっかりと効かせます。
また抜歯の際は、歯を取り囲んでいる歯茎・骨・歯の神経まで全体にしっかりと効かせます。
治療の目的が何かで麻酔の方法を変えています。
また、抜歯なら、どこを触っているのかでひとつの処置の中でも麻酔を打つ場所を変えて治療をしています。
②麻酔液の量を考える
大体のむし歯治療では、麻酔液のカートリッジを1本もあれば治療ができます。
当院で使っている麻酔は、健康な人ならこの10倍は打つことができます。
そこまで、たくさん打つことはほぼないですが、1本では効かない方もおられます。
効きにくいと予想できる時や、少しでも痛みを感じられた際は、麻酔をしっかり必要な量を打ちます。
③どこに注射を打つのかを考える
ただたくさんの量を入れても、効きません。
どこに麻酔を打つかが大切になります。
1本の歯の治療をするにしても、効かなかったら5ヶ所、それでも効かないと追加で2ヶ所、効果の違うところに打つようにしています。
④いつ治療するのかを考える
炎症が強いところは、通常の麻酔が効きにくいことがあります。
一度、抗生物質で悪さをしている細菌の量を減らしてから後日 治療をすると麻酔が効きやすくなっていることもよくあります。
ただ、痛みを減らす方法が麻酔をして治療をすることと判断した場合は、通常よりも多めに十分に効く量の麻酔をしてから治療をします。
⑤麻酔をしてから治療を開始する時間を考える
麻酔は、効かせたい部位の周辺にうって 痛みを伝える神経の周りに浸潤するのを待ってから治療をします。
待つと、染み渡るのでより効いてくれることが多いです。
しかし、炎症の度合いによっては、すぐに麻酔の効果が下がってしまうことも多いので、どのような状態の部位で治療の内容によって待つ時間を変えたりします。
⑥どのタイミングで麻酔を追加するかを考える
処置の長い治療の場合、途中で麻酔の追加が必要になります。
ここで大切なのは、少し痛みが出てきたところで決して我慢してもらわないことです。
強い痛みが出てからでは、麻酔が非常に効きにくくなります。早め早めに麻酔を追加するようにしています。
⑦どれくらい効かせるかを考える
処置の内容によって、麻酔の効き具合をコントロールしています。
比較的 刺激の強い 削ったり抜いたりする治療をする場合、全く何も感じない状態にすることができるので、怖くなく治療をすることができます。
3.麻酔に対する考え方
歯科治療は怖いって思われることが多いです。
その怖さは何からきているのでしょうか?
キーンって削る音から? 歯を削っている時の痛みから?何をされるかわからない不安から?
治療中の痛みは、麻酔で完全になくすことができます。
治療中に痛かったら、我慢せずに教えてください。
痛みに弱かったら、遠慮せずに初めに教えてください。
ほんの少しチックってするのを我慢してもらえると、後の治療は痛くなくすることができます。
この記事を書いたのは
江坂パークサイド歯科 歯科医師・院長の木村 圭(きむら けい)です。
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